更新日:2024.09.04 公開日:2022.08.31 加湿器の選び方・使い方

タイプ別にみる加湿器のお掃除方法

目次

加湿器が汚れる原因

加湿器は「水道水などのキレイな水を使っているから汚れることはない」「汚れたとしても、たいした汚れではない」とイメージされる方も多いと思います。しかし、加湿器で使用する水道水には、カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、塩素などのさまざまな成分が含まれています。
これらの水道水に含まれるミネラル成分が残ったものが水垢となり、お手入れを怠り使い続けると、フィルタなどにカルキ(白い粉)として付着し、落ちにくい汚れになってしまいます。


スケールの付着したフィルタ

なぜお手入れが必要?

加湿器のお手入れを怠ったまま使用することで、加湿能力の低下や製品の故障、嫌なにおいの発生を引き起こしてしまいます。さらに、カビや雑菌の繁殖が進むと「加湿器病(過敏性肺臓炎)」という病気の引き金になる可能性もあり、人体への悪影響をも及ぼしてしまいます。
加湿器にはさまざまな加湿方式があり、そのタイプによって構成されるパーツは異なりますが、利用中は、定期的なお手入れが必要とされています。
加湿器のお手入れをこまめに行うことで、清潔に保つことができ、長く製品を使い続けることもできます。

タイプ別にみる加湿器のお掃除方法

加湿器には「水噴霧式(超音波式)」「蒸気式(スチーム式)」「気化式」「ハイブリッド式」の加湿方式があり、そのタイプにより内部構造が異なり、お手入れ方法も変わってきます。加湿方式別の一般的なお掃除・メンテナンス方法をご紹介します。メーカーや製品により異なる点もありますので、詳しくは各製品の取扱説明書をご確認ください。

水噴霧式(超音波式)

水噴霧式(超音波式)は、超音波の振動を水にあてて、霧状の水を噴霧して加湿する方式です。
シンプルな構造で手軽に利用しやすいものの、水に含まれるもの全てをそのまま放出するため、お手入れを怠り使い続けると、水中に含まれる不純物や繁殖した細菌をそのまま撒き散らしてしまうため、加湿器病などの危険性が一番高いタイプでもあります。

タンク内の水は注ぎ足しで使用するのではなく、毎日交換し残った水は捨てることを徹底しましょう。
タンク内部や本体の内側など、水が溜まる箇所は、水あかやぬめりがつかないよう、こまめに水洗いをしましょう。超音波振動子に汚れが付くと加湿量が低下する場合もあります。

蒸気式(スチーム式)

蒸気式(スチーム式)は、水をヒーターで熱し、蒸発させた水蒸気で加湿する方式です。
雑菌の繁殖リスクが低く衛生的ですが、水道水を加熱し蒸発させる際にミネラル成分がスケールという残留物(乳白色や茶色)となり、加湿器内の蒸発布などに堆積します。

スケールを放置し続けると、石のように固く取れにくくなるだけでなく、故障の原因ともなってしまいますので、スケールを取り除くためのお手入れが欠かせません。スケールが溜まるまでの期間は、水質や稼働時間など使用状況により異なりますが、早い場合では2~3日でお手入れが必要になるケースもあります。スケールがこびりついた場合は、重曹などを使用し除去する必要があります。

気化式

気化式は、水を含ませたフィルタにファンで風をあてて、気化させた水蒸気で加湿する方式です。
常にフィルタが水を吸った状態となるため、水替えやフィルタのお手入れを怠ると、雑菌が繁殖しやすくなります。

タンク内の水は毎日交換して、交換時にはタンク内を水洗いしましょう。フィルタやトレーは1ヶ月に1回を目安にお手入れし、水あかやぬめりをしっかり落としましょう。
加湿フィルタは古くなった場合に交換が必要で、においが気になるとき、加湿能力が落ちたと感じるときには、クエン酸でつけ置き洗いをしましょう。
集じん用のフィルタがある吸込口にホコリがたまりやすいので、掃除機でこまめに吸い取りましょう。

ハイブリッド式

ハイブリッド式(加熱気化式)は、水を含ませたフィルタに温風をあてて、気化させた水蒸気で加湿する方式です。
気化式と同様、常にフィルタが水を吸った状態となるため、水替えやフィルタのお手入れが必要です。

気化式と同じく、タンク内の水は毎日交換して、交換時にはタンク内を水洗いしましょう。フィルタやトレーのお手入れが必要で、吸込口にホコリがたまりやすいので、掃除機でこまめに吸い取りましょう。

上記で説明した加湿方式の他に、業務用加湿器で用いられている加湿方式に「透湿膜式」があります。

透湿膜式

透湿膜式は、水を含ませたフィルタにファンで風をあてて、気化させた水蒸気で加湿する気化式の一種です。
水蒸気のみを膜から通し、水中の不純物(カルキ成分やカビなど)は通さないため、衛生的な加湿ができます。過剰に加湿することもないため、結露ができにくい点も特長です。

気化式と同様にフィルタを使用するため、定期的なお手入れや交換は必要ですが、業務用加湿器には自動清掃機能が付いているタイプもあるため、それによりメンテナンスやお手入れの負担も軽減できます。
日常のお手入れは簡単に運用できるものの、水を使用する機械のため、清潔な状態を保ち能力低下を起こさないためにも定期メンテナンスが必要です。個人で実施することが難しいケースもありますので、導入をする際には、メンテナンスを実施してくれる業者はいるのか、事前に確認をとることも大切です。

加湿器の交換部品と交換時期目安

加湿器で利用されるフィルタにもいくつかの種類があり、寿命もあります。
大きく分けて、水分を湿らせて蒸発させるために使用する「加湿フィルタ」、塵や埃を取り除くための「集塵・プレフィルタ」、除菌や脱臭を目的とする「除菌フィルタ」などがあります。
各メーカーや製品により使用される部品が異なり、運転時間や使用環境・水質により交換時期の目安は変わってきますので、詳しくは、各製品のホームページや取扱説明書にて確認してください。

加湿器のお手入れをこまめに行うことで、衛生状態をしっかりと保つことができ、長く製品を使い続けることができます。
乾燥を防止・健康を保つために加湿器を使っているにも関わらず、お手入れを怠ることで病気にかかってしまった、お手入れが大変だから加湿器を動かせていない、ということにならないためにも、必要なお手入れについて知っておくことは大切です。
加湿器の種類によって必要なお手入れや頻度また交換部品などが異なりますので、どのようなお手入れが必要か、交換部品などはあるのかを知り、使用場所に適した加湿器を選びましょう。

シーズンオフや保管時の注意点

梅雨時期を迎えるころには、加湿器は不要となりますが、加湿シーズンが終わり保管する際にも注意が必要です。
シーズンオフになり加湿器を片付けるときは、日ごろのお手入れと同様、トレイやフィルタなど全てのパーツを水洗いして、しっかりと乾燥させます。水洗いをしたフィルタは陰干しして、本体もタオルなどで拭き取りします。水分を残したまま保管してしまうと、カビの原因にもなってしまいますので、しっかりと乾燥させることがポイントです。
全ての清掃と乾燥を終えたら、購入時の包装ケースに入れるか、ポリ袋などに包むか、ホコリなどをまとわないような状態にして、直射日光の当たらない湿気の少ない場所で保管しましょう。

お手入れのラクな業務用加湿器「うるおリッチ」

うるおリッチは、給排水工事を行うことなく、加湿・空気清浄・殺菌・脱臭を行うことができる業務用加湿器です。医療施設や福祉施設の共用スペース、オフィス、工場内など、さまざまな環境でご利用いただいております。

加湿エレメントの清掃を自動で行うため、面倒なお手入れをすることなく清潔な状態でご使用いただけます。お客様に行っていただく2 つのお手入れをご紹介します。

プレフィルタ・殺菌フィルタのお掃除

フィルタにたまったホコリを掃除機で吸い取ります。ニオイが気になる場合は水洗いをします。1ヶ月に1回程度を目安に行います。
水を含ませたフィルタは(純透湿膜)、自動クリーニング機能を搭載しているため、つけ置き洗いは必要ありません。

排水

自動クリー二ング機能により、定期的(24h 運転毎)に排水が行われます。「排水」ランプが点灯したら排水タンクを取り出し水を捨てます。

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