更新日:2023.12.08 公開日:2022.08.30 感染症・花粉症

加湿でインフルエンザウイルス対策

目次

インフルエンザウイルスとは

インフルエンザウイルスとは、季節性インフルエンザや新型インフルエンザなど、インフルエンザを引き起こす病原体のことを指します。直径は約1万分の1mmの大きさで、抗原性の違いでA、B、Cの3つの型に分類されます。
インフルエンザの感染経路には「飛沫感染」「接触感染」「空気感染」があり、その中でも咳やくしゃみの際に口から発生される小さな水滴(飛沫)による飛沫感染が主と考えられています。インフルエンザウイルスが呼吸とともに鼻やのどから体内に入り込み、体内で増殖することで発生しますが、他の感染症と比べてウイルスの潜伏期間が短く、増殖が速いことから、集団感染を引き起こしやすい感染力の強いウイルスといわれています。
ウイルスに感染すると、1~3日間の潜伏期間を経て、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛等全身の症状が突然現れます。あわせて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳などの症状もみられます。乳幼児ではまれに急性脳症を、高齢者や免疫力の低下している方では肺炎を伴うなど、重症になることもあります。
日本では例年、11~12月頃に流行が始まり1~3月頃ピークを迎えます。

インフルエンザの予防方法

感染力が非常に強く、毎年さまざまな場所で大流行を起こすインフルエンザですが、インフルエンザ対策として厚生労働省から発表されている方法は、下記項目が挙げられています。

  1. 流行前のワクチン接種
  2. 外出後の手洗い等
  3. 適度な湿度の保持
    空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度を保つことも効果的です。
  4. 十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
  5. 人混みや繁華街への外出を控える
  6. 室内ではこまめに換気をする

「ウイルスを持ち込まない」ことが感染防止の基本とされていますが、さまざまな人が出入りするオフィスや医療福祉施設など公共の場では、実際には非常に困難です。そこで、感染拡大を可能な限り阻止し被害を最小限に抑え、インフルエンザにかかりにくくするための有効な方法が「適切な湿度の保持」です。具体的にどのような効果があるのか、詳しくご紹介していきます。

インフルエンザウイルスと湿度の関係

ウイルスや細菌の活性化は湿度と大きく関係します。湿度が高すぎても低すぎても微生物の動きは活発になり、感染力が高まります。湿度を40~60%に調節することで、感染予防につながる結果がでています。冬場はのどや鼻の防御機能が低下するうえ、インフルエンザやウイルス感染の危険性が上がります。これらに対する対策も、湿度を保つことによって解消されます。

引用献:6時間後の生存率(G.J.Harper 1961年)

マウントサイナイ医科大学 細菌学・薬学 共同研究
『インフルエンザの伝染は相対湿度と温度に依存する』

原文(PDF形式:863KB)

和訳版(PDF形式:61KB)

相対湿度と微生物の相関図

参考文献:相対湿度と微生物の相関図[出典:ASHRAE(米国暖房冷凍空調学会)]

公共建物における相対湿度40~60%のガイドライン策定を世界の医者や研究者らが提言

世界の医者や研究者から、WHO(世界保健機関)に湿度と健康に関する科学的エビデンスを検証の上、呼吸器感染症を減らすために公共建物における湿度の下限値を提言することを呼び掛けられています。
WHOでは、汚染やカビなどの問題については室内空気質のガイダンスを策定していますが、公共建物の湿度に関する規定はまだありません。
適度な湿度の範囲を維持することは、人間の健康にとって有益であり、病院、学校、オフィスなどの公共性の高い建物を、1年を通して常に40~60%RHに保つべき3つの理由が科学的にも示されています。

引用元:40TO60RH.COM

高齢者福祉施設における加湿器の有効利用への提言

インフルエンザウイルスは室内の湿度が高いほど生存率は低くなることが知られています。高齢者はインフルエンザウイルスへの感受性が高いため、高齢者福祉施設における冬期の適切な湿度管理はインフルエンザ予防に大変重要です。
高齢者福祉施設について湿度の調査を行い、湿度管理の実態と有効な加湿方法について提言されています。

高齢者福祉施設における加湿器の有効利用への提言 ~インフルエンザ予防のために~ (PDF形式:155KB)

インフルエンザの予防に有効な加湿器

加湿器は卓上型から小型・中型・大型タイプなど、加湿方式や加湿能力の違う様々な製品が市販されており、設置環境に見合った加湿器を選定することで十分な加湿が行われ、インフルエンザの予防に効果的ですが、オフィスや施設など広い空間の湿度を上げるには多台数の設置が必要になりますので、給水やメンテナンスが負担にならないよう考慮が必要です。
また、加湿器を設置しているものの、タンクに水を入れたまま長期間放置することやメンテナンスなどのお手入れを怠ってしまうことにより、カビを撒き散らかし加湿器病の原因にもなります。清潔な状態を維持できるようこまめにお手入れを行い、衛生的な加湿器を選ぶよう注意が必要です。

加湿器の選び方

本当に加湿でインフルエンザの感染者は減るか、業務用加湿器「うるおリッチ」で検証

加湿の効果を検証するため、茨木市(大阪府)及び介護付有料老人ホームカリエール茨木様ご協力のもと、実証実験を行いました。実験では「うるおリッチ」の設置フロアと未設置フロアを比較し、「湿度測定」と「感染症の発症者数」を検証しています。

▼検証1 湿度の測定

▼検証2 感染症の発症者数

加湿器を設置していないフロアでは湿度が20%程度の環境となり、感染症の発症者が8名でしたが、加湿器を設置してたフロアでは湿度を約40%に保つことができ、感染症の発症者数は0名でした。
検証の結果からも湿度を40~60%に調節することで、感染予防につながる結果がみられました。

今回の検証で使用した業務用加湿器「うるおリッチ」は、レンタル・購入より選べる2つの導入方法があります。

うるおリッチの「レンタルサービス」を見る

うるおリッチの「販売サービス」を見る

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