更新日:2024.09.04 公開日:2022.08.31 加湿器の選び方・使い方

加湿方式の違いは?加湿器の種類と選び方

目次

加湿方式の違い

加湿器には大きく分けて4種類の加湿方式があります。
加湿方式によって水を蒸気に変える方法が異なり、それぞれ特徴があります。
用途に応じて使い分けが必要ですので、まずは加湿方式の違いについてみていきましょう。

水噴霧式(超音波式)

水噴霧式(超音波式)は、超音波の振動を水にあてて、霧状の水を噴霧して加湿します。
簡単にいうと、霧吹きでミストを拡散させるイメージです。

ヒーターは搭載しないシンプルな構造で、水が熱くなることはなく、消費電力も低く、デザイン性の高いものが多いです。
一方で、タンク内の水をそのまま外に噴霧するため、設置場所の周辺が濡れたり結露したり、細菌をばら撒いたり白い粉(カルキやミネラル)を付着させる可能性があります。

蒸気式(スチーム式)

蒸気式(スチーム式)は、水をヒーターで熱し、蒸発させた水蒸気で加湿します。
簡単にいうと、ヤカンでお湯を湧かして湯気を出すイメージです。

水を沸騰させるため、細菌が繁殖しづらく室内に菌をばら撒くリスクも低いです。加湿能力が高いので、すばやく湿度をあげることができます。
一方で、ヒーターで加熱するため、消費電力は高く、吹出口が熱くなるため火傷のリスクに注意が必要です。タンク内にカルキが付着しやすく、放置すると取れにくくなってしまいます。

気化式

気化式は、水を含ませたフィルタにファンで風をあてて、気化させた水蒸気で加湿します。
簡単にいうと、濡れたタオルを扇風機で乾かすイメージです。

ヒーターは搭載しないので、消費電力は低く、吹出口が熱くなることはないので安全です。過剰に加湿がされることもないため、結露ができにくい点も特長です。
一方で、ファンで風を送り加湿する方式のため、加湿量に比例し送風音が大きくなります。フィルタを使用するため、定期的なお手入れや交換が必要です。

ハイブリッド式

ハイブリッド式(加熱気化式)は、水を含ませたフィルタに温風をあてて、気化させた水蒸気で加湿します。
簡単にいうと、濡れたタオルをドライヤーで乾かすイメージです。

気化式にヒーターを搭載して加湿能力を高めたタイプのため、すばやく広範囲の加湿ができます。
一方で、ヒーターを搭載する分、やや消費電力が高く、本体価格も高くなりがちです。

上記で説明した加湿方式の他に、業務用加湿器で用いられている加湿方式に「透湿膜式」があります。

透湿膜式

透湿膜式は、水を含ませたフィルタにファンで風をあてて、気化させた水蒸気で加湿する気化式の一種です。

水蒸気のみを膜から通し、水中の不純物(カルキ成分やカビなど)は通さないため、衛生的な加湿ができます。過剰に加湿することもないため、結露ができにくい点も特長です。
気化式と同様にフィルタを使用するため、定期的なお手入れや交換は必要ですが、業務用加湿器には自動清掃機能が付いているタイプもあるため、それによりメンテナンスやお手入れの負担も軽減できます。

加湿器の選び方

加湿器を選ぶ際、加湿方式の特徴を理解したうえで、利用する場所や環境に応じて選定する必要があります。
加湿器は日常の給水や掃除などのお手入れも必要で、お手入れを怠ると加湿性能の低下や加湿器病のリスクに繋がるため、運用面にも配慮して選ぶ必要があります。
おさえておきたい選び方のポイント6つをご紹介します。
 

【point1】加湿能力は適切か

加湿能力は「㎖/h」(毎時○○ミリリットル)や「㎏/h」(毎時○○キロ)の単位で表され、「1500㎖/h」であれば、1時間あたり1500mlもしくは1.5㎏の水蒸気を空気中に放出できるという意味です。この値が大きくなればなるほど一度に加湿できる能力が高くなり、より広い部屋の加湿ができます。

機種選定をするときに適用床面積(部屋の広さ)を目安にしますが、「天井の高さ」「換気量」「温度」も湿度に影響するため、単純に部屋の広さだけで選んでしまうと「加湿器を使っているのに湿度が上がらない…」ということにもなりかねません。また、目標としたい湿度によって必要な加湿能力が変わりますので、的確な選定を行う場合「必要加湿量」を求めることで環境に見合った選定が可能です。

【point2】日々のお手入れやメンテナンスの容易さ

加湿器のメンテナンスを怠ると加湿能力の低下や雑菌の飛散に繋がります。 お手入れやメンテナンスの容易さは日々の使い勝手に大きく影響する重要な項目ですので、様々な角度からチェックしましょう。
押さえておきたいチェック項目は3点です。

▼タンクへの給水はしやすいか?

給水は日々行う作業なので、タンクの取り外しがしやすくて取り付けやすいか、タンクの取り外しは出来なくても給水しやすいかをチェックしましょう。タンクが縦長タイプだと、蛇口の下に入らない場合もあるので、どこで給水をするのかも考慮しましょう。

▼タンクの水は排水しやすいか?

タンクの水を長期間貯めっぱなしにしてしまうと、カビや雑菌が繁殖し悪臭の原因となることやレジオネラ菌を飛散させてしまうこともあります。数日間使用しない場合は、排水の作業も必要となりますので、排水のしやすさも確認しておきましょう。

▼フィルタのお手入れや交換は必要か?

加湿方式によりフィルタのお手入れ方法は異なりますが、交換の有無・頻度・着脱のしやすさを確認しましょう。
交換不要のフィルタも増えていますが、何もしなくていいのではなく、フィルタを洗うお手入れは1~2週間に1回程度必要です。フィルタのお手入れや交換を怠ると加湿能力の低下や雑菌の飛散に繋がりますので、現実的に在籍するスタッフで必要なお手入れが可能なのか、お手入れ内容と人員を想定しながら確認しましょう。

加湿器は日々の給水や定期的なお手入れが欠かせませんので、導入台数が多ければ多いほどその負担も大きくなります。また、設置台数が多くなると給水やメンテナンスの管理者があやふやになりがちで、管理が行き届かず水切れを起こし運転ができていなかった、メンテナンスがされておらず加湿能力が低下していた、などよくある事例です。お手入れしやすく、加湿能力の高い加湿器を選び台数を減らすことで、運用の負担も軽減できますので、日々必要となるお手入れやメンテナンスについてしっかりと事前確認をしたうえで加湿器を選びましょう。

【point3】タンクの容量は適切か

タンクの容量は必要加湿量や使用時間を考慮して選ぶことが大切です。「必要加湿量が大きい場合」や「連続で長時間使用する場合」にタンク容量が小さいと給水を頻繁にしなければならず、日々の負担が増えてしまいます。
使用環境に見合ったタンク容量なのか、タンクのサイズも事前に確認しましょう。

【point4】ランニングコスト

使用する上で必要となるランニングコストは主に「電気代」と「メンテナンス代」です。
電気代は加湿方式によって異なりますが、気化式では1ヶ月100円程度で済むものもあれば、蒸気式では数千円となるタイプの加湿器もあるので、消費電力の確認は必要です。
加湿器の種類によって、専門業者によるメンテナンスが必要なものとそうでないものがあります。専門業者によるメンテナンスが必要なものは、メンテナンス費用と交換部品についての確認を行いましょう。専門業者によるメンテナンスが不要なものは、交換部品の種類や価格や取替頻度についての確認を行いましょう。

【point5】本体サイズと重さ

加湿器は加湿能力が高くなればなるほど本体のサイズも大きく重くなり、加湿方式によっては加湿器の周辺が濡れることもあるため、設置スペースも考慮しておきましょう。また、加湿運転しかできないタイプだと使わない時期には「収納・保管場所」の考慮も必要です。

【point6】付加機能は必要ないか

加湿器には、除菌・殺菌・脱臭・空気清浄機能、湿度コントロールをする自動運転機能、さらにアロマ機能など、さまざまな便利機能をもつ製品があります。こうした付加価値がついた製品は価格も高くなりますが、加湿の目的に合わせた必要な機能を選びましょう。 加湿の目的としては、感染症対策などを目的する「人のための加湿」もしくは、ものの劣化や破損を防ぐことを目的とする「産業のための加湿」があります。

広い空間の加湿に最適な、透湿膜式の業務用加湿器「うるおリッチ」

うるおリッチは、給排水工事を行うことなく、加湿・空気清浄・殺菌・脱臭を行うことができる業務用加湿器です。
医療施設や福祉施設の共用スペース、オフィス、工場内など、さまざまな環境でご利用いただいております。

▼加湿能力

1台で150平米(90畳)の広範囲をカバーする加湿能力を搭載しています。広範囲を1台でしっかりカバーできるので、設置台数を減らすことができます。

▼日々の給水やお手入れ

うるおリッチは、「手動給水」「ワンタッチ給水」「給水車」「自動給水」の4タイプから給水方法をお選びいただけます。自動クリーニング機能を搭載しているので、加湿エレメントの定期的な清掃や浸け置き洗いなど、面倒なお手入れは必要ありません。

▼大容量タンク

タンクの容量は20Lの大容量なので、1回給水で10時間以上の連続加湿運転が可能です。
頻繁に水切れを起こしたり、給水を行う必要はありません。

 

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