
公開日:2025.06.25 身近な湿度のおはなし
冷蔵庫で飴を保存すると溶ける?
梅雨頃から夏にかけて、湿気が多い時期にこんな経験はありませんか?
「袋に入った飴を置いていたら、くっついて、ひとかたまりになっていた!」
そこで、冷蔵庫に入れて保存すれば溶けないはず、と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は冷蔵庫で保存するのは逆効果になる可能性があります。今回は、梅雨から夏場にかけて、なぜ飴が溶けるのか?そしてどうすれば適切に保存できるのかをご紹介します。
まずは、なぜ飴が溶けるのかについてです。飴の主成分は砂糖です。砂糖は非常に吸湿性が高く、空気中の水分を引き寄せる性質があります。そのため、空気中の水分量が多いと、飴が水分を吸収しやすく、べたついて溶け始めます。例えば、湿度60%を超えると注意が必要です。
しかし、日本の夏は暑くて湿気が多いので、エアコンがついていない部屋だと飴がすぐに溶けてしまいます。
それでは、冷蔵庫で冷やせば大丈夫なのではないか?と考えそうですが、落とし穴があります。それは、温度差による結露です。もちろん冷蔵庫の中は、冷たくて湿度も相対的に低くなりますが、冷蔵庫から取り出した飴が室温の空気に触れると、飴の表面に水滴が発生します。この水分を飴が吸収し、結果としてべたつき、表面が溶ける原因になります。冷蔵庫の中は飴にとってよい環境ですが、室温との差が激しいため、保存場所としてはおすすめできません。
また、飴の種類によっても溶けやすさに差があります。例えば、子供の頃、夏のお祭りに行って、わたあめを買ってもらうのが楽しみでしたが、大切に食べようとしばらく置いていると、溶けて小さくなっていました。みなさんもご経験があるのではないでしょうか。わたあめは、表面積が広く空気と触れやすいため、一般的な固形の飴よりも周囲の水分をよく吸収してしまいますので、特に注意が必要です。
湿度が高いと飴が溶けやすいということが分かったところで、正しい保存方法についてもご紹介しておきます。
まずは空気に触れにくくするため、チャック付きの袋などの密閉容器に入れましょう。その際、乾燥剤と一緒に保存することで、容器内の湿度を低く保つことができます。
さらに、結露を防ぐための対策も行います。温度差を抑えるために、常温の風通しのよい涼しい部屋が保存場所としてはベストです。もし、冷蔵庫に入れる場合は、二重密閉&戻すタイミングに注意しましょう。冷蔵庫から出す場合はまず密閉袋に入れ、そのまま室温に戻してから開封することで、結露のリスクを減らせます。
飴のおいしい保存方法をまとめると、以下の4つになります。
・高温多湿を避ける
・密閉袋に乾燥剤と一緒に入れる
・温度変化が大きくならないようにする
・冷蔵庫で保管する場合は、取り出してから常温に戻るまで密閉袋に入れる
空気中の水分との接触を避けるように心がけてくださいね。