更新日:2023.01.24 公開日:2023.01.24 身近な湿度のおはなし

ロシアと東京 湿度は同じでも100倍乾燥している!?

2023年1月、日本列島にこの冬最大の寒波がやってきました。
10年に一度の強烈な寒波で、九州地方など降雪が少ない地域でも大雪になるとの予報が出ています。
また、東京都心や大阪、名古屋などの中心部でも、氷点下2℃前後まで気温が下がるとみられ、
全国で警戒が呼びかけられています。

もちろん寒波がやってきているのは、日本列島だけではありません。
世界で最も寒い都市とされるロシア極東のヤクーツクでは、1月に氷点下62.7℃を記録しました。
日本に暮らしていると想像がつかない気温ですね。

これだけ気温が低いと、日本では考えられないくらい乾燥しているのでは?と思いますよね。
それでは、ロシアのヤクーツクと東京都の気温・湿度を比較してみます。

[ヤクーツク] 気温 -49.1℃ 相対湿度 61% (2023/1/24)
[東 京 都] 気温  3.9℃ 相対湿度 60% (2023/1/23)

気温差は50℃以上ありますが、相対湿度はほとんど同じでした!

つづいて、上記の場合の絶対湿度を比べてみます。

[ヤクーツク] 0.00003 kg/kg'
[東 京 都] 0.00299 kg/kg'

なんと、東京都の絶対湿度はヤクーツクの約100倍でした!!
相対湿度が同じくらいの値でも、気温が違うと実際の水分量はこんなにも違うのです。

天気予報などで言われる「湿度」は相対湿度ですので、
ヤクーツクも東京も同じ程度乾燥している印象を受けますが、
実際はヤクーツクの空気には水分がほとんどなく、カラカラであることが分かりますね。

この外気の水分量では、室内を温めるとひどく乾燥してしまうことが想像できます。
実際、ロシアの都会ではお湯が供給されるセントラル・ヒーティング設備が
各家庭に備え付けられています。
しかし、このシステムでは各家庭で温度調整ができず、
部屋が暖まりすぎた場合は、窓を開けて外気を取り入れるしか方法がありません。
絶対湿度の低い乾いた外気を取り入れて、部屋を過剰に暖めるため、
室内が過度に乾燥してしまうのが悩みなのだとか。

その他にも今回紹介したヤクーツクではあまりに寒いため、冬の間は車のエンジンが切れないそうです。
切ってしまうと、あまりの寒さで凍りついてしまうそうです。
冬のガソリン代にも悩みそうですね。

ニュースや天気予報で湿度を見たときは、
今回お伝えした情報をもとに絶対湿度はどのくらいなのかを考えると、空気がどれくらい乾燥しているか
分かるかもしれませんね。

絶対湿度や相対湿度をもっと詳しく知りたいという方はこちらの記事を確認してみてください。

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