更新日:2024.04.11 公開日:2024.04.11 身近な湿度のおはなし

お部屋選びで見落としがちな重要ポイント

新年度が始まり、新しい土地への引っ越しを予定している方もいらっしゃると思います。
賃貸マンションやアパートを探している際、さまざまなことを考慮して物件を見ていると思いますが、
湿気についてのチェックはされていますか?
湿度が高くなりやすい部屋を選んでしまうと、夏の不快指数が高くなるだけでなく、カビが生えてしまって退去時に追加でクリーニング費用が発生する可能性もあります。
今回は湿気トラブルで後悔しない、物件選びのポイントについてお話しします!

■マンションの2階以上の部屋を選ぶ
1階にある部屋は、上の階に比べて湿気が高くなりやすい傾向があります。その理由は地面に近く、外気の影響を強く受けるためです。雨や雪で地面が濡れていると、床からその湿気を取り込んでしまいますし、地面近くの多湿の空気が室内に入ってきやすくなります。さらに、防犯の観点から窓を開ける回数が少なくなる場合も多く、湿度の高い空気が室内にこもりやすくなることも考えられます。
また1階よりも下、半地下のお部屋は賃料が安いことや、天井が高いなどの理由で選ぶ方も多いですが、湿気の観点からは特に避けたほうがよいでしょう。

■おしゃれなデザイナーズマンションに注意
スタイリッシュで人気の高い「コンクリート打ちっぱなし」は、湿気が多くなると聞いたことはありませんか?
近年は、鉄筋コンクリート造の住宅が建てられることが多いですよね。木造と比べて気密性に優れているため、断熱効果が高いことや、防音性が高く人気です。
一般的な鉄筋コンクリート造の住宅では、コンクリートの壁に内装材を貼り付けるため、外気との気温差による結露が発生した場合には、その内装材が吸収してくれます。また最近は、調湿効果の高い素材を使用した内装材も人気があります。「珪藻土」や「漆喰」は、室内に発生した余分な水蒸気を吸湿し、また乾燥している場合には、その水分を室内に放出してくれる効果があります。

それに比べ、コンクリート打ちっぱなしの部屋では、内装材による調湿効果はもちろんなく、またコンクリートの特徴として湿度が高いと水分を放出し、湿度が低いと乾燥するという点もあり、結露しやすくなります。
さらに、コンクリートを作る際には水を使いますが、新しいコンクリートの内部には多くの水分が含まれており、完全に乾燥するまで数年かかると言われています。そのため、築浅のマンションの場合は、コンクリートの壁から水蒸気が出ていることになるため、室内の湿度が高くなってしまうのです。

一方で、木造住宅の場合は湿度が高いと湿気を取り込み、乾燥すると水分を放出するという木の性質と、風通りがよいことなどから湿気の心配は低い部屋が多いです。伝統的な日本家屋では、「日本の住宅と湿度」の記事で
ご紹介しているとおり、高温多湿になりやすい日本の気候に合わせて調湿する工夫がつまっています。


そうは言っても、選べる部屋には限りがありますから、マンションの1階やコンクリート打ちっぱなしの部屋に住まざるおえない可能性もありますよね。また、上記以外の部屋でも、構造上どうしても湿気がたまりやすいという部屋もあると思います。

そこで、賃貸でもできる湿度トラブル回避方法をご紹介しておきます!

・よく換気をする
・湿気がたまりやすい場所を確認する
・家具を壁から離して配置する
・室内に洗濯物を干さない

お部屋選びで見落としがちな重要ポイントをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
みなさんは見落としていませんでしたか?
これからお部屋探しをされる方は、湿度に悩まないお部屋を選んでくださいね。

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