更新日:2023.01.10 公開日:2016.02.12 身近な湿度のおはなし

おいしいチョコレートと温湿度

甘いものが欲しくなる季節になりましたね。
2月といえばバレンタインデーもあり、数ある甘いものの中でもチョコレートを連想する方が多いのではないでしょうか。

様々な食品に鮮度や味わいを保つ基準があるようにチョコレートもおいしさを保つ為の基準が決まっています。

高温・多湿に弱く、湿気に対してとても敏感なチョコレートは、気温15-18℃、湿度50%前後の保管が適正とされています。

保管場所の湿度が高いと吸湿してしまったり、湯煎で溶かす場合、水滴や湿気が混入すると変色し粘度が高まり、艶がなくなります。
極端に水分や湿気が混入すると分離しカビが発生することもありますので、湿度管理は重要となります。

また、冷蔵庫から常温(室温)へ戻すときも注意が必要です。
急激な温度差は結露する可能性が高くなります。
おいしさを保つためには段階的に品温を下げることをおすすめしているようです。

室温20℃以下で温度変化が激しい場合『ブルーミング現象』が起こることもあります。
この『ブルーミング現象』とは、ココアバターの成分が浮き出て冷え固まり表面が白くなることを指します。
品質には問題はない様ですが、見た目からも”おいしいチョコレート”とは言えなくなるかもしれません。
さらに、光によっても風味の劣化や色の変化を引き起こします。

これらの特性から板チョコの包み紙は、遮光性・保温性・防湿性・防虫効果に優れている銀紙(アルミ箔)を使用することが一般的です。

余談になりますが、
チョコレートの原料となるカカオの木は幼木の段階では『母の木』という存在が必要です。
『母の木』とは日向では育たないカカオの幼木が日陰になるよう、守り続ける木のこと。
湿度80-90%、年間1500ミリの雨がふる熱帯雨林気候の中、母の木の下で最初の2年間は直射日光を50%以上遮ってもらうことで、その後自立して育つことができるようになります。

チョコレートの繊細さはもちろんのこと、普段何気なしに食しているものでも、その背景を知るとおいしさが増して感じますね。

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