更新日:2023.01.06 公開日:2020.05.29 身近な湿度のおはなし

湿度が高いとホタルが喜ぶ?

梅雨から初夏にかけ、自然の多い場所では、ホタルが作りだす幻想的な世界を見ることができます。
ホタルの光が飛び交うすてきな景色ですが、最近は見ることが難しくなりました。
整備された川、都会に立ち並ぶビルや明るい光など、
ホタルが暮らせる環境は、どんどん少なくなっています。

豊かな自然、明かりのない夜、気温が20℃前後、曇り空、高い湿度など、 さまざまな条件が揃わないと、ホタルの飛び交う姿は見ることができません。
ここでは、湿度に注目して見てみましょう。

相対湿度が80%前後、特に雨が上がった後は、 ホタルが光りながら飛び交う景色が見やすいと言われていますが、
どうして湿度が高い日にホタルが出現しやすいのでしょうか。
それは、ホタルの寿命とも関係があるようです。

ホタルはセミと並んで短命で、成虫になってから10日ほどで命が尽きてしまいます。
というのも、ホタルは成虫になってから、エサを食べることができず、 幼虫時代に蓄えた栄養で生きているので、その栄養分が尽きると死んでしまいます。
成虫が唯一摂取するのは水のみですが、それも口が退化していて川からは飲むことができず、 水滴や空気中の水蒸気から体に取り込んでいます。
ホタルが湿度の高い日を好むのも、納得できますね。

ホタルの光は仲間とのコミュニケーション手段です。
求愛するオスは、光りながらメスの光を目がけて飛んでいきます。 真っ暗のなか、相手の光を探して飛び回るなんて、なんともロマンティックですよね。
しかし、人間の生活が豊かになるにつれて、ホタルの居場所がなくなっていっています。
ロマンティックで幻想的なホタルの光が毎年見られるよう、
ホタルが生きていける環境を守っていきたいですね。

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